親族法の豆知識

養子の相続分

1.実の親との関係

 養子となった場合、養親との親子関係は実子と同じです。ただ、片親とだけ養子縁組をした場合は、相続分は実子の1/2になります。また、養子となっても実の親との親子関係が続きます。従って、養親と実の親の両方から相続により財産を貰えることになります。(民事法務局回答)

 特別養子の場合は、これと異なり、実の親との関係が終了し、実の親の相続人にはなれません。

 特別養子については「特別養子」を参照してください。

2.養子の子の代襲相続

 養子縁組前の養子の子は代襲相続人になれません。一方、養子縁組後の子は代襲相続人になれます。

3.相続分の二重資格

 養子縁組すると相続の資格が二重に貰えることがあります。例えば孫を養子にした場合に、その孫の親(亡くなった人の子)が既に亡くなっていれば、養子としての相続分と子の代襲相続人としての相続分を合算し相続分を算出します。

 これに対して、長女に婿養子をとった場合、その長女夫婦に子もなく、長女の両親が既に死亡している場合に長女が亡くなれば、婿養子の人は配偶者でもあり、兄弟でもあります。このような場合は配偶者としての相続分のみを認めることになっています。

特別養子

 私が学生だった頃だったと思います。今でもよく覚えているのですが、菊田さんという産婦人科医が赤ちゃんの斡旋で告発されます。

 赤ちゃんを殺すのが嫌でたまらない菊田さんが、人口妊娠中絶を求める女性を説得し、子宝に恵まれない夫婦に赤ちゃんを斡旋していたのだそうです。その際、出生証明書を偽造して、実子として届出たようです。

 この事件をきっかけにできたのが特別養子縁組制度です。戸籍には養子ではなく子と記載されています。

 相続税法では特別養子と実子は同等に取り扱うことになっています。

法定後見人

 高齢化が進んだため、家族にとって不幸なことに、意思能力が不十分な人が漸増しているようです。神奈川県藤沢市にお住まいのAさんは、長年、意思能力を欠いた妻の介護を続けた末亡くなりました。

 このような場合、妻と子で遺産分割をしても無効です。家庭裁判所に後見人を選定してもらう必要があります。

 もし、子が後見人になったならば、遺産分割協議において利益が相反しますので、家庭裁判所に申し立てて特別代理人を選任してもらう必要が生じます。

 また、子が後見人は、原則として遺産分割協議において相続分を確保する必要があります。勝手に相続放棄したり、少ない取り分で妥協することは基本的に許されません。

特別代理人

 もしも、相続人の中に未成年者がいる場合、その未成年者が遺産分割協議に参加して、遺産分割協議書に署名捺印しても、その遺産分割協議書は無効です。

 このような場合は、特別代理人を選任(家庭裁判所へ申し立てる)する必要があります。

 例えば、子が1人、養子となった孫(15歳)が1人のAさんが亡くなったとしましょう。このような場合、孫は未成年のため特別代理人の選任が必要となります。子と孫は共に相続人で、利益が対立するので、子はその孫の特別代理人にはなれません。多くの場合、子の配偶者が特別代理人になります。

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